茅輪神事は、「ちのわしんじ」と訓みます。茅輪をくぐり越えて罪穢を除き、心身の清浄ならんことを祈祷するので、
「輪越祭」「茅輪くぐり」とも称します。茅とはち、かや、ちがや、であって、菅、薄など、多年生草木の総称になります。
茅輪の起源については、釈日本紀七に、備後風土記逸文を引用して、次のような事柄が記してあります。
即ち、神代の昔、武塔神(素戔鳴尊)が、南海の方へお出でになる途中、ある所でお泊りになろうとして、土民の蘇民将来、巨旦将来と言う兄弟に宿を求められた。
その時、弟の巨旦将来は、裕福な身であったにも拘らず、宿を拒んだのに対し、兄の蘇民将来は、貧しい身ではあったが、尊をお泊し、
粟柄を似て座を設け、粟飯を饗して御待遇申し上げた。その後、年を経て尊は再び蘇民将来の家を訪れ、
「若し天下に悪疫が流行した際には、ちがやを以て輪を作り、これを腰に著けてをれば免れるであろう。」と教え給うた。
この故事に基づき、蘇民将来と書いて、これを門口に張れば、災厄を免れるという信仰が生まれ、また祓の神事に茅輪を作って
これをくぐり越えるようになったのです。 |