御祭神のお話


面足命おもだるのみこと 惶根命かしこねのみこと

初め抽象的だった神々は、次第に男女に分かれ、異性を感じ、愛を見つけ出して行くのである

神代七代(かみよななよ)の一代。別天神から、国之常立神(くにのとこたちのかみ)、豊雲野神(とよぐもぬのかみ)を経て、宇比麗神(ういじのかみ)・須比智選神(すいじのかみ)、角杙(つぬぐいのかみ)・活杙神(いくぐいのかみ)、意富斗能地神(おおとのじのかみ)・大斗乃弁神(おおとのべのかみ)、面足命(おもだるのみこと)・惶根命(かしこねのみこと)と来て、伊弉諾尊、伊弉冉尊(いざなぎのみこと、いざなみのみこと)までの七代を神代七代と呼ぶ。
古くから、「神代七代」とは男女の体や性が整っていく過程を表す物だと言われている。面足命の「おも」は「面」。「だる」は「足りる」。つまり、代が進むにつれて洗練されてきた男女の原理が、ここに来て満足する段階に辿り着いたのである。惶根命の「かしこ」は畏怖を示し、「ね」は女性を示す接頭語。ここに来て、神代七代の二人は初めて性のオルガスムスに達するのである。そして、人間的な感情を持った初めての神、伊弉諾尊と伊弉冉尊が生まれ、神代七代の時代は終わる。